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(R18) Moulin Rouge (HQ)

第12章 xxx 11.幽閉



 啄ばむように唇を食んで、重ねて、音のないキスをする。時々かかる吐息は赤葦さんの香り。ミントの香り。

 ガムなのか、タブレットなのか。
 その裏に隠された煙草の匂いが妙に色っぽくて、またひとつ、彼に魅了される自分がいる。

 もっと深いのが欲しい。
 もっと貴方を感じたい。

 薄く口を開いて、それから、濡れた舌先をちょこんと下唇に乗せる。ちょうだいの合図。待ち望むのは、ディープなところに落とされる大人のキスだ。

「ん、ふ……っ」

 唇を重ねる角度が大きくなった。
 直後、赤葦さんの舌がナカに入ってくるのが分かる。

 思っていた以上にすんなりと、焦らされることなく聞き入れてもらえた要求。今度は淫らに音を立てて、貪るように口付けを交わす。

 ちゅ、ちゅぷっ
 彼が鳴らしてくれる音はすごく婬猥で、濃厚で、否応なしに耳を犯される。

 キスだけなのに、こんな。
 熱くなったそこが疼いて、もどかしくて、堪らない。次から次へと蜜が溢れてくる。

「ん、はぁ……っ赤葦、さん」

 縋るようにして抱きつき、彼の後頭部に手を添えた。ふわふわ。柔らかい髪。なんだか愛おしくて、胸がきゅっと苦しくなる。


「チワーッス! 宅配でーす!」

「!?」


 赤葦さんとの狂おしく甘い時間を中断させたのは、前髪にメッシュが入ったデリバリー屋さんの大声だった。

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