第4章 【裏】私だけのひと。　～明智光秀～

　そっと肩を掴まれてそのまま畳に体を押さえつけられる。

「み、光秀様…？」

　目を瞬かせて光秀を見れば、眉をひそめた光秀の顔が近づいてくる。
　いつもの優しい口づけとは違い、噛み付くような接吻。
　文字通り唇をやわやわと何度も噛まれ、赤く色づいたその隙間から、ぬるると舌が入ってくる。
　それと同時に、乱れた着物の裾を割って光秀の手が下肢に触れた。

「っん…ふ…」

　太ももを触れるか触れないかの絶妙な加減で撫でられて、琴子はくすぐったさに身を捩る。
　光秀の舌は琴子の口腔の中を蹂躙するかのように歯列をなぞり、頬の内側を舐め上げてくる。
　太ももを撫でていた手が内側に伸びて、琴子は反射的にピクリと体を震わせた。

「ん…はぁ…」

　ようやく深い接吻から解放されて琴子は乱れた息を整えようとするが、光秀は構わず琴子の帯をあっという間に解いてしまう。
「あっ…」
　普段なら肌着の上からそっと触れる乳房への愛撫だが今日は焦っているかのようにすぐさま前を露わにされ、両手で鷲づかみにされた。
　性急な行為とは裏腹に、力はあまり入っておらず痛い思いはしなかった。
「ふぁっ…」
　やんわりと揉みしだかれると、胸の尖りが中指で擦れて甘い声が漏れる。
　それに光秀はうっすら笑みを浮かべ、左右同時に指先で乳首の先端だけを上下に撫でた。
「あ、ああ…」
　じんわりとした快感が広がり、ふにふにと柔らかかったそこが硬く勃起してくる。
「ここ…お好きですか」
　指で円を描くように乳首を弄りながら光秀が問う。
「あっ…あぁ…」
　その声と指先がもたらすゾクゾクとした刺激に琴子は背中をのけぞらせた。
　胸をつき出すその様子はツンとした乳首をもっと触って欲しいと光秀にせがんでいるようにしか見えず、光秀はさらに笑みを深くして望まれるままに口に含んだ。

「ひぁっ……」
　ビクリと体が跳ねて、琴子は光秀の頭を抱きこんでしまう。
　その行為に光秀は煽られるようにして食んだ先端をぬるぬると舐めまわし、もう片方を指先で摘む。
「んぁ、ふぅ…んっ…」
　胸の先端から快感が駆け巡り、琴子は無意識に内股を擦り合わせる。