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【100プリ】 消えない過去と生きる今(ルイとのお話)

第25章 夢√編 優しい嘘と最後のキス





 零がいなくなると、
 頑なに保っていた
 ルイの表情が崩れていく。

 バルコニーから
 暗いダンスホールに戻っていくと・・・・・・

シド「・・・そんなツラして、泣き虫坊ちゃんは健在だな」

 暗いダンスホールに響く
 聞き覚えのある低い声に、
 ルイは目を見張った。

ルイ「シド・・・・・・こんなところで何してる」

シド「あの男からの依頼だ」

 シドはルイの前に、
 一枚の書類をひらつかせる。

シド「プリンセスが・・・王位継承権を得る方法だとよ」

ルイ「・・・っ」

 ルイが書類に手を伸ばそうとすると、
 シドはそれを
 高い位置まで持ち上げて薄く笑う。

シド「こんな策略くらいで、好きな女・・・手放すのか?」

ルイ「・・・・・・黙れ」

 ルイの怒りを宿した瞳を見て、
 シドはその薄い笑みを消した。

シド「お前はよ、人より持って生まれたもんが少ねえ。あるとしたら、その無駄に整った顔くらいか」

ルイ「・・・何が言いたい」

シド「だからこそ、一度手にしたもんを守ることに必死になんだろ」

 ルイが微かに息をつくと、
 シドは可笑しそうに笑った。

シド「けど、一番欲しいもん手放したら、本末転倒だろうが」

ルイ「・・・・・・大切だから、手放すんだ」

シド「・・・・・・・・・」

ルイ「・・・いつか、また・・・・・・絶対に取り戻す」

 それだけ言い残して、
 ルイは立ち去って行く。

 そんなルイの背中を見つめて、
 シドは口角をくっと上げた。

シド「・・・・・・面白え」

 シドは腕を下げて依頼書を見つめると、
 一気にそれを破り捨て
 白い紙が舞う中を静かに歩き出した。




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