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甘い契約【DIABOLIK LOVERS】

第9章 看病ver.コウ【無神コウ】


「…」

ベッドに横になる。

布団に顔をうずめると、コウの匂いがふわっと広がる。
その匂いに自然と顔がほころんでしまう。

「……」

足元にある掛け布団を頭まで被ってみる。

全身がいい匂いに包まれて…まるで抱きしめられているみたいだ。





ガチャーー

名前が一人楽しんでいると
ドアの開く音が聞こえた。


「あっ…」

慌てて布団を捲る。


『…どうしたの?寒い?』

コウが心配そうな顔をしている。

「違う…の…!」

本当は何をしていたかなど言えるはずもなかった。



『飲み物とか、薬持ってきたんだけど…つらかったらもう寝なよ、オレのベッド、ひとりで使っていいからさ』

「えっ…でも…」

ーーそしたらコウくんはどこで寝るの?
と聞く前に、コウが枕元にしゃがんでいたずらっぽく囁いた。

『なーんてね、…何?ひとりは寂しいから一緒に寝て欲しいって?』

「えっ…!」

『なーに動揺してんのー冗談だよ、…でもさ、風邪の時って身体を温めた方がいいでしょ?だから…』


パサッーー

そう言うと、コウが名前のくるまっている布団に入ってきた。

そして名前と向き合う形に横になる。


「えっ…?!ちょ…」

キスができそうなほど顔が近い。
つい、目を逸らしてしまう。


『言ったでしょ?朝まで看病してあげるって…エム猫ちゃんが寒くないように、オレが抱きしめてあげるよ』

「あっ…待っ…!」

グイッと引き寄せられて、コウの胸に顔をうずめる。
熱に冒された頭が羞恥でさらにぼんやりする。

『どう?寒くない?』

「…うん…」

コウの匂いに包まれて、腕の温もりも感じる。
心臓の音が聞こえてしまいそうだ。

そしてそれはすべてお見通しだったらしい。


名前を抱きしめながらふふっと笑ってコウが甘く囁く。

『エム猫ちゃんの心臓の音が聞こえるよ…?熱のせいかなぁ…?それともオレに抱っこされてるのが嬉しいのかな?』

「…っ…!」


顔が熱い。
恥ずかしくてめまいがするくらいドキドキする。


『もっとオレにくっついてよ…その方があったかいよ?』

「…っ…はあ…っ」


熱のせいもあってか、だんだんと息が上がってくる。
顔が火照っているのも分かる。

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