第9章 看病ver.コウ【無神コウ】
リビングにあるフカフカのソファーが名前のお気に入りの場所だ。
寝る支度を全て済ませてから、
眠くなるまでそこで本を読むのが最近の日課。
今日もソファーに深く座って本を読み始め……たのだが…
何故だか頭がぼーっとする。
ストーリーが全然頭に入ってこない。
それどころか本を持つ手にも力が入らなくなって、
本をテーブルに置き、ソファーに寝転んだ。
「っあー…なんだろ…これ…?」
ーーおかしいな〜?
さっきからなんだか寒いし…
身体の違和感がだんだんひどくなってくる。
ソファーから起き上がるのも億劫なくらいに。
『こんなところで寝たら風邪ひくよ〜?』
「?!…コウくん!」
見上げると、コウが頭をタオルで拭きながら立っていた。
どうやら風呂上がりらしい。
『眠いならもう寝たら?…それともここで寝るつもり?』
「うん…もう部屋に戻るよ」
とは言ったが、身体がだるくて起き上がりたくない。
『それとも……』
コウがニヤリと笑う。
『そんな無防備なカッコしてさぁ…このオレに襲われたいのかな?』
なんてね〜と冗談を言いながらコウがソファーの肘掛に腰掛けた。
「えっ、ち、違うもん…!」
確かに今は部屋着のシャツとズボンのラフな格好だ。
本気ではないと分かっていてもコウに言われると少なからず動揺してしまう。