第6章 看病ver.アズサ【無神アズサ】
「はあ…」
なんだか身体がだるい。
「…。」
名前は布団にくるまったまま、動けずにいた。
ベッドの横にある時計を見る。
針は9時を指していた。
「もう起きなきゃ…」
今日はアズサと街に買い物に出かける約束をしている。
昨日の夜、
新しいナイフを見に行くからと誘われ、名前も楽しみにしていた。
「支度…しなきゃ」
重い上半身を起こす。
その途端、頭にズキズキと痛みが走った。
「いたっ…」
思わずこめかみを押さえる。
だるさと痛みで名前はまたベッドに横になった。
この調子ではとても外になんて出られない。
「…どうしよ…」
出かけるどころか起き上がることもままならない。
が、名前はどうしてもアズサと出かけたかった。
アズサが自分を誘ってくれるなんて、二人きりで出かけられるなんて…
考えただけでも胸の鼓動が早くなる。
「よし、絶対行ってやる…!」
思い切り腕に力を込めて、なんとか上半身を起こす。
「…はぁっ…」
だるさで体に力が入らないので、
体を起こすだけでも一苦労だ。
動くと頭も痛む。
痛みに耐えながらベッドから出る。
が、立っているのがつらくてその場にしゃがみ込んでしまう。
「あー…、もう…」
ーーこのままじゃ、アズサくんとのドキドキお出かけ計画が…!
なんとかしなきゃ…
あ…!そうだ、薬…!
頭痛薬を飲めば、楽になるかも…!
薬はリビングの戸棚の中だ。
「ん…っ」
名前はベッドに手をついて立ち上がった。
立っているだけなのにクラクラする。
「はー…」
おぼつかない足取りでドアに向かう。