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甘い契約【DIABOLIK LOVERS】

第2章 いたみわけ【無神アズサ】


名前が部屋で読書をしていると、
ドアの向こうからバタン!
と、何かが落ちたような大きな音がした。

驚いてドアを開ける。

「あ!」

廊下にはアズサが倒れていた。

「だっ、大丈夫ですか?!」

慌てて駆け寄る。

『…はあ…はあっ…』

うつ伏せになっていて顔は見えないが、
アズサの苦しそうな息づかいが聞こえた。

「どうしたんですか?!……アズサ、くん」

名前を呼ぶのは少しためらわれた。
ルキやコウとは会話をするが、まだアズサとは親しく話をした事がなかったから。

『大丈夫…少しくらっとした、だけだから…』

苦しそうに肩で息をしながら
包帯だらけの腕で弱々しく体を起こす仕草は、
どう見ても大丈夫そうには見えなかった。

「あの…本当に大丈夫…ですか?」

つらそうなアズサを放ってはおけない。
何か自分にできる事があればと考えていたら、
アズサが名前の手首を掴んだ。

「えっ?!」

『ねえ…君の部屋で、少し休ませてもらってもいいかな…』

まだ息が乱れている。
自分の部屋に男を招き入れるのはためらわれるが
今はそれよりアズサが心配だった。

「あっ、どうぞ!
…私の部屋でよければ…!」

立てますか?と言いながらアズサの手を取った。
思ったより冷たい手の感触にドキッとしながらも、体を支えてあげながら部屋に戻る。
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