第4章 四番隊のお仕事1
柘榴色の瞳が優姫を見つめている。
「影柘榴。私が求めた戦う力。」
影柘榴は遠慮なく優姫の身体を抱き締めると嬉しそうに、少し意地悪そうに笑う。
「そうだ。私を求めていただろう?ずっと心の奥に隠して、押さえ込んで、気づかない振りをして、それでもいつも求めていただろう?」
「そう。ずっと戦える強さが欲しかった。でも、自分が変わってしまいそうで、父がこんな私の事は許さないんじゃないかって怖かった。あなたを受け入れる事が怖かった。でも、もう逃げないよ。」
おずおずと影柘榴の背中に優姫の腕が回される。
「あなたは、私の大事な斬魄刀……」
「愛している。私は君の力になる。私の全ては君のものだ。翠光と同じさ。」
「ずっと逃げてた私を許してくれるの?」
「はははっ。許すもなにもないさ。君がいるから私とあいつは存在してるんだ。」
妖艶に微笑みながら優しく口づける。
翠光と違って影柘榴の触れかたには遠慮がない。
司る力が違うから性格もちがうのかな?
ボンヤリ考える優姫の瞳を面白そうに覗き込みながら影柘榴が意地悪く告げる。
「但し、優姫が私の力を使いこなす為にはしなけらばならないことがあるだろう?」
そうだ、今日は影柘榴の力を手にしたとたん意識を無くしていた。
意識を飛ばした自分はあろうことか更木隊長に刀を向けて斬りかかる失態をしでかしている。
どうしたらいいんだろう?
「簡単だ。父親がかけた封印を解いて本来の霊力を使いこなせるようになることだ。」