第13章 虎の愛
優姫は一角の怪我の治癒を終えて二人で少しのんびりと過ごしていた。
「お茶でも淹れてきますね。」
一角さんに断って病室を出る。
さすが一角さんは鍛え方が違う。
あんなに深傷をおっていたのに既に傷はふさがりかけているし、治癒を終えたときには自分で歩いていた。
治癒の為にはだけさせた服からのぞいた引き締まった筋肉とたくましい胸板……
って、何を考えているの!
赤くなった頬を手で押さえながら給湯室に入る。
お茶と、お茶請けにお煎餅でも持っていこ。
弓親さんも誘おうかな。
お茶を運びなら弓親さんの病室を覗く。
しかしそこには弓親さんの姿はなかった。
どこかに行ってるのかな?
後で声をかけたらいいか。
一角さんの病室に戻る。
「何か感じるの?」
一角さんの病室から弓親さんの声がした。
そっと扉を開けて入ると二人で縁側に出ているようだった。
「ぶはははははははっ!!!だ誰だお前弓親か!?なんだそのアタマ!?ひゃはははは!!!爆発か!?花火の爆発でそうなったのか!?オイ!!」
「わ…笑うな!!いいよコレかぶってるから!!」
一角さんが弓親さんの焦げてアフロのようになってしまった髪を見て爆笑している。
傷が開かなきゃいいけど……
弓親さんはむくれてカツラをかぶっている。
どこから持ってきたんだろ?
後から焦げた部分を切って整えてあげよう。
「イヤ…隊長…楽しそうにやってんなー…と思ってよ…」
「ホントだ…でも…相手誰?こいつの強さムチャクチャじゃない?」
「…一護だ。あの野郎…俺ん時とはまた別人みてえに強くなってやがる…」
「あまり身体を冷やさないで下さいね。お茶をどうぞ。」
「おう、さんきゅー優姫」
「ありがとう瑞原さん。」