第12章 逢瀬
「一角さん、おはようございます。お加減いかがですか?」
病室の扉からひょこっと顔を出した優姫があまりにも愛らしくて一角は顔を綻ばせた。
「おう、大分いいぞ。早く鍛練しないと身体が鈍る。」
わざとらしく顔をしかめた一角に今度は優姫が破顔した。
「もう、昨日の今日ですよ?おとなしくしてください。」
「じゃあ退屈しないように優姫が相手してろよ。どうせ暇だろ?」
十一番隊はほぼ壊滅状態になってしまった。
十一番隊について救護と補給を命じられていた優姫も隊の出動がなくなった今は待機する状態だ。
後は残った更木隊長とやちるさんが動いているみたいだけど、どこにいるのかわかるまでは下手に動けない。
「そうですね、出動要請がかかるまでですよ?」
ふわりと笑う優姫に見惚れた一角が僅かに頬を染めた。
「じゃあ少し治癒力を使うので横になって下さい。」
「おう、俺の素晴らしい肉体に遠慮なく触れ。優姫にならいやらしく触られても許すぞ。」
「もうっ、そんな風には触りませんよ。」
「赤くなって、可愛い奴だな。」
ははははは、と笑う一角につられて優姫も柔らかく微笑んだ。
その頃、懺罪宮のすぐ近くで更木剣八と草鹿やちるは黒崎一護たちを捉えて殺し合いを仕掛けていた。