第2章 管理人
あれ…マンションの管理人ってそういう風に募集していい仕事なの?
しかも求人の仕方も企業ってかんじじゃなくて、企画的な…なんて言うか、こういう広告を書く本職の人が書いてないみたいな文。
怪しい……。
でも条件がビックリするぐらいピッタリ。
:20歳以上大卒の未就職者。女性。
お、わたしじゃないですか……。
仕事内容:家事、掃除、住居人の管理
給料:月5万〜。働きに応じて。
働きに応じて……?
って住居人の家を勝手に出入りして掃除するってことなの?わかんない。
一言いえば怪しい。
怪しい、けど…もうこれしかない。
電話をかけて次の日には面接。
履歴書は大卒かを確認した後にすぐに机の上に放置されて、いろいろ話した後に話の趣旨が変わって行った。
『君、美人だね』
あれ、もしかして怪しい人達に捕まったとか…じゃないよね。
目の前の眼鏡のおじさんに恐怖心を覚える。
『ちなみにさ、アニメとか好き?』
アニメ……?急に?
って話が進んで行って混乱していたら、おじさんからあの単語が出てきた。
『声優とか好き?』
決め手はここだったと思う。
わたしが頷くと、おじさんは優しそうな笑顔を見せて頷いた。
『うん、採用。私も好きなんだよ、声優』
でもどこか、意味深な声。