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鉄血のオルフェンズ 三日月夢

第4章 9話 盃 補完


ビスケットと寝入ったままのオルガと別れて自室へ向かっているとふらふらと歩くつなぎ姿のフィアに出くわした。
「あ、ミカくんおかえりー」
そういえばお菓子を配っていた場にも彼女はいなかった。
問えば
「おやっさんと明日の準備してたんだよ。お菓子はタカくんがわたしの分を確保してくれてるから大丈夫!」
「明日」
それは三日月も出席する儀式ではなく、バルバトスの修理換装のほうだろう。
「……ごめん、勝手に決めて」
「えっ、ううん?こっちは資料もないし、あったとしても造るお金も材料もないもの。それに資料を見せてくれるって!」
三日月は同じようなことで謝ってばかりだと言うのに、フィアの方は嬉しそうにくるくる回るのを見て、何がそんなに楽しいのだろうと不思議に思う。
「明日はミカくんは儀式?のお出かけだね、頑張ってね」
「まあ……てきとうに」
頑張るのはオルガだ。また自分は何もできていない気がする。
「わたしはドックで手伝いをしてミカくん用に調整するから。そうしたらもっと思った通りに動けるようになるよ!」
「……そうだね」
思いきり戦うことができば役に立つこともできる。僅かに表情の変わった三日月にフィアは更に笑みを深めた。
「機体性能が上がれば人体へのフィードバックも減らせるからテストさせてね」
「わかった」
「それから一緒にお菓子も食べようね!」
さすがに深夜にその話は胃もたれがするな、と三日月は思った。
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