【進撃の巨人】 never ending dream R18
第23章 咽び泣く~決意~●
「お前の好きにするといい。
お前にはもう、自分の“生き方”を選択し、実現するだけの力が備わっているはずだ。」
そう言うと、父は床に転がる母の刀を持って、格技場を後にした。
しんと静まり返った格技場の中、私は窓から去って行く父の後ろ姿を見つめる。
弔いの炎へと向かい、歩く父の背中には、血で汚れながらも力強く羽ばたく自由の翼があった。
3年後、必ずこの場所に戻り、父とともに戦う。
愛する家族を守りたい。
大切な人を守りたい。
そのためなら…
強くなってやる。
もう、誰も死なせはしない。
炎を囲んでいた兵士達が、一斉に父へと敬礼する。
目に涙を浮かべ、震えている者。
ひどく憔悴しきっている者。
泣き崩れ、立ち上がる事さえ出来ない者。
きっとこれから私が目指す所は、地獄なのかもしれない。
それでも、決めたんだ。
私は調査兵になる。
空高く燃え上がる炎と父の後ろ姿へ向け、私は拳を強く心臓へ押し当て、見よう見まねの敬礼をした。