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水蜜桃Series

第3章 水蜜桃の果肉





「おっきろー!まさきー!」
「…ん?ああ、めぐみか。」
「ハロウィンパーティーのじゅんび、てつだって!」
「お前一人なのか?」
「ううん、まさきといっしょにやりなさいって、あきらちゃんが。」
「ふーん。何やるんだ?」
「おかしをテーブルにならべるの。でも、たかいところにあってめぐみじゃとれないの。」
「ああ、それでか。いいぜ、何処だ?」
「あっち!」


十月三十一日。黒川柾輝のハロウィン当日は慌しく幕を開けた。午前十時、パーティの準備で夜遅かった為睡眠を貪っていたのだが、バン!と大きな音を立てて扉が開けられ夢の世界とも別れを告げた。目を開ければ、去年より更にグレードアップした格好の童女が、一人。ニコニコと西園寺玲お手製のステッキを持ちながらピョンピョンとベッドで跳ねた。その度に短いスカートから幼少期独特の折れそうなほど細く白い足が覗き、目を細めて少し逸らしつつ童女を大人しくさせてベッドに座った。話を聞けば今年はこの童女、めぐみとコンビを組めという事らしい。自分なんかに頼まなくても翼辺りに頼めばめぐみだ、一発オーケーするだろうに。今頃自分が抜擢されずに拗ねているだろう彼を思って喉でクツクツと笑った。しかし自分も気に入ってる童女だ、眠い中起こされても何とも思わない。寧ろ本日目が冷めて一番に見るのが童女なのならそれも最高だと思う。


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