第7章 スキということ。
月島side
「「ナイスキー!!」」
仮入部が始まったかけ声の響く体育館には、めぐみの姿は見られなかった。
2、3年生が練習している脇で、キャプテンと上級生のマネージャーらしき人が、仮入部の1年生を確認している。
別に数える必要なんてないと思うんですケド…
と心のなかでは思っていたケド、さすがに仮入部初日に口にはしない。
男子5人と女子1人。
全員の顔を一瞥すると、マネージャー希望らしき女子の顔に見覚えがあった。
…あの子、確か同じクラスの………
取り敢えずキャプテンに自己紹介を促されたので名乗りながら、
「…1年3組、月島 蛍です。…ヨロシクお願いします。」
名前…なんだっけ…?まっ、いっか…
とか思っていたら、彼女の順番になった。
「1年3組、宮野 紫穂です!!よっ、よろしくお願いしますっ!!!」
うわ………
デタヨ、、無駄に熱い奴。
見た目からして、なんか要注意な気がしてたけど、想像以上だな。
それから……
仮入部初日の練習が終わって、汗を拭こうと思ったら…
地元のクラブチームをやめてからの久々の練習が終わり気が緩んだのか、
「めぐみ。タオル…」
幼い頃からのクセが、出た。
練習終わりはいつも、、笑顔のめぐみからタオルを受け取って、その後、タオルを渡して、替わりにドリンクを受け取る。
当たり前にし過ぎていただけに、迂闊だった。
周りの視線は、一気に僕のもとへと集まった。
「………ツッキー」
ふと声がした方を見ると、山口なんか、まるで捨てられた仔犬でも見るような視線だった。
…正直、うざかった。