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奴隷と暗殺者

第1章 0


近隣諸国と比べて領土の大きいこの国の首都であるこの地には当然王城があり、その眼下には城下町が広がる。
そしてそれを取り囲む大きな城壁。
何処でも見れる城壁都市だ。
近年迄は隣国、それも異種族との戦争もあったが今は収束。ヒューマン(人間)側の勝利で敗北したエルフ達は降伏勧告を受け入れ、戦争捕虜がそのまま奴隷として働くというのも珍しいことで無くなった。

戦争が終わると今度は何が起こるか、国内での権力争いだ。
無論この国は王政国家。だが議員は国民から選ばれるという王政と民政が入り混じった状態で統制されている。
これでも意外とまとまっている。
ただ、其処は他人同士意見が対立する事がしばしばある。予算がどう、議員の汚職がどう、国の事というより自身の為に言い争う様はまるで子供の喧嘩だ。
何より厄介なのは他国の息の掛かった議員。
あわよくばこの国を陥し入れ、自国の物にしようと躍起になっている。
基本は王統派に着く意見への反論や妨害。
王政であるこの国で王の支持率が下がれば、それはそのまま国の崩壊に繋がる。
連中の狙いは正にそれだ。
人も技術も他国より秀でたこの国は何処から見ても欲しくてたまらない。
しかし侵略戦争など始めたらどうなるか、自国の予算のみならず自国民からのバッシングも免れない。

戦争は変わった。武力から卓上に戦場が変わった。
変わってないのは二つ。





1つ。エルフが人の奴隷と同等と言われながらも実態は真っ黒な事。

2つ。今日も議員が一人、事故で死亡してしまった事。
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