第2章 受験生の彼女
2学期。
『はるちゃん、受験勉強、ラストスパートにはいるからさ。これまで以上に連絡できない。ごめんな。』
蒼先輩から、そんな連絡がきてからは、全くと言っていいほど連絡をとらなかった。
2学期中は、ほとんど会えなくて。
正直、付き合ってる感じはゼロ。
『俺なりによく考えたんだけど。このままじゃ、はるちゃんに我慢ばっかりさせちゃうことになる。勝手な理由で悪いけど、別れてください。ちゃんと、合格してきます。』
久々に来た連絡は、たったの4文。
長くは続かなかった。
約4ヵ月。1年のサンブンノイチ。
高1の私に2年の壁は越えられなかった。
「結希ー‥‥私、蒼先輩にフラれちゃったぁ‥‥。」
いつも通りの部活帰り。
真っ赤な夕焼け。
結希は、ただ「おつかれさま。」とだけ言って、ぎゅっと抱きしめてくれた。
「結希ぃー‥‥。」
別れよって言われたときも泣かなかったのに、
結希に抱きしめられると涙がボロボロと溢れでた。