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Dye D? 3

第57章 絵








その言葉を聞いて

丸山は寂しそうに笑った




丸山「全部の絵がマリア様だけど・・・

色んな種類を集めたからね・・・」




屋敷の絵は

丸山が自分の心を癒すために

長年の時間をかけて集め

自分の母親の面影を

ずっと追い求めていたのだった



ここの一つ一つの絵が丸山の

母親の代わりであったのだ



辛そうに絵を見ている丸山の隣で

安田はそっと絵に手を伸ばしたのだ




その安田を丸山は黙って見ていた




こちらを向いて

少し寂しそうな顔をしている

マリアの頬に触れた瞬間に衝撃が走った






安田「!!!!!!!!!!」



その様子も丸山にも感じた



丸山「ヤス、どうしたの?」



不思議そうに聞く丸山の隣で

安田の頭に浮かんだのだ





錦戸とふざけ合っていた時の

雪の表情を



そう子供を愛おしそうに見つめる

母親の表情を




安田は絵に視線を向けた



この絵と同じ表情だと

子供を案じている表情だったと



安田は震える声で言った



安田「これ、雪かも・・・・」




その言葉に丸山は衝撃を受けた



丸山「まさか・・・・

そんな・・・」



丸山もそう言いながら

絵を見つめた




安田の言う通りに

その絵が雪に見えてくる気がしたのだ



寂しそうな表情で絵を見つめている

丸山に安田は更に伝えたのだ



安田「俺なぁ、この表情を

向こうの世界で見たんや

やから、これは雪やと思うねん」



そう告げると瞳を深紅にしたのだ





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