第37章 動き出す

その様子を錦戸は不思議そうに



錦戸「横山くん、何をしてるん？

あっ！」




錦戸は見たのだ

窓に映った方では

手紙がちゃんと読めるのを






横山は静かに言った





横山「向こうで書いたモノは

反対になるからな・・・・」




その言葉に反応して



錦戸「やから、

横山くんは文字を反対に書いたんや！

向こうで読めるように・・・」



錦戸の言葉に横山は静かに笑い




横山「まぁ、アイツらが

気が付くわけないと思ってたし

どうしたらいいかも考えてた」




その言葉に錦戸は感心した

いつも先の先を読んでいる事に



自分を見つめている錦戸に

照れ臭く感じた横山は




横山「なんやねん？」




手紙を見ながら尋ねた

横山に声を掛けられて

錦戸は慌てて答えた



錦戸「何もない」



錦戸はこの世界にきて

横山の凄さに驚いていた

その事を知られてたくなかった




家族であり

大切な仲間である

彼に・・・



だから顔をそらした



その様子に横山は冷静に見ると




横山「さよか・・・・

アイツらがどっちが

犯人か見つけてくれるようやで」




窓に映った手紙を読みながら

言ったのだ




錦戸「それってゲストの事か？」



横山は

妖艶な微笑みをしながら頷いた




横山「さて、これで俺らも動けるな」



そう告げると

自分のポケットから紙を取り出し

何かを書き始めたのだ




その様子を錦戸は黙って見ていた




書き終わると横山は錦戸に見つめ



横山「さて、行くか？」



錦戸は素直に聞いてみた



錦戸「アイツらに何て送ったんや？」




すると微笑みながら



横山「了解、もう直ぐ戻ると書いた」




そう言うと

静かにキッチンから出て行ったのだった