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Dye D? 3

第4章 従業員の秘密




 フロントで横山は一人静かに

パソコンの画面を見つめていた



時折

画面を操作する音が

無造作にロビーに響いていた




村上「何してるんや?」


村上が後ろから

その姿に興味を持ちながら

覗いてきた




パソコンの画面は

予約をして来た人で埋められていた

その画面から

横山は目を逸らすことなく

ゲストの名前を

何回もスクロールしていた





その様子を村上は不思議そうに見ると



村上「何がそんなに

横の興味を引いてるんや?」



そう言うと隣に静かに座った



横山は隣の村上を気にしながら



横山「今回のゲストを決めたんは誰や?」



画面の操作を止めずにボソッと言うと



村上「えっ?」



村上は驚きながら画面を覗き込み

ゲストの最後の所の認証者の名前を見た



村上「お前やんけ、忘れたんか?

ここにもお前の名前になってるやんけ」



村上は笑いながら言ったが

横山は顔色を変えずに答えた



横山「俺は知らん」



その返事に

村上が横山を見つめるが

横山は視線を無視して

パソコンを操作し続ける


村上には横山が

何を言いたいか分からなかった




不思議そうに見つめる村上を

横山は気にする事なく

パソコンを見続けていたのだ



そこに安田が

ため息をつきながら

フロントにやって来た





安田「なぁ、なんで二人をOKしたん?」



安田の問いかけに

村上は横山を見つめるが

横山の操作は止まらなかった



安田はそんな二人を

フロントカウンターの前から

話し始めた



安田「俺さぁ、赤い方……

なんか嫌やねんなぁ….」



安田の言葉に

村上は驚いたように笑うと



村上「お前がそんな事を言うなんて

珍しいなぁ」



村上の言葉に安田は小さく笑うと



安田「なんやろ、分からんけど

イライラしてくるねん」



その言葉で横山の手が止まった



横山「マルは?」


横山はパソコンから目を離して

辺りを見渡しながら言った

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