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Dye D? 3

第27章 喪失 6






 村上は久しぶりに

横山の資料室に来て驚いていた



壁一面の棚びっしりと置かれた本と

床に散らばっているメモ用紙やら

本やらで床が見えず

足の踏み場がないのだ



本に埋もれているが

少し山になっているのが

ソファーとテーブルなのだろうかと

村上は思って入口に立っていた



慣れたように部屋に入って行く横山は



横山「俺には片付け能力はないらしんや」



そう言いながら

ある棚の前に立ち何かを探し始めた



本棚に向かう横山を見て

村上も急いで足元のモノを

なるべく踏まないように歩き

ソファーらしきモノの所までやって来ると




横山「・・・・これや」



横山が嬉しそうに見つけた本を取り出した

そして立っている村上の所まで

器用にやって来て本を見せた




村上「タロット・・・?」




村上は不思議そうに横山と本を交互に見た


その村上を見て横山は得意に



横山「おん、まぁ見ろって」



そう言うと、ページをめくり

あるページを村上に見せると

それを見た途端に叫んだのだ




村上「死神やんけ!」




驚いた顔で村上は

横山から本を取り上げ

しっかりと見ようとした



その村上を見ながら

横山は静かに言った



横山「タロットは占いのカードで

それは13番目のカードで

死や不幸を意味してる」



その言葉に村上の顔を横山に向いた



村上「・・・・・・」



言葉のない村上に横山は

妖艶な微笑みを見ると

突然、本を反対にして見せ




横山「こうすると、再生や起死回生になるんや」




村上「はぁ?」




村上は驚いた顔を見せた

その顔に横山の説明が続く



横山「タロットには二つの意味があるんや

良い方と悪い方がな

カードの出方でどっちかになるんや」




村上は横山が何を言おうとしているのか

わからなかった




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