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あなたの声が聞きたくて【another story】

第9章 岩泉一【番外編】4













家に帰ってラフな格好に着替えた後、お腹を空かせた怪獣もとい私の旦那様のために夜ごはんを作り始める。


「はーらへった」


後ろから私の肩に顎を乗せてくるハラヘリ怪獣。


「もう少しだから待ってて。」


髪を撫でてあげると渋々と言った感じではあるけどリビングに戻っていった。


次来た時は揚げ出し豆腐が何個か減ってしまう。早く作ってご飯にしないと。


出来る限りフルスピードで仕上げにかかって盛り付けまで済ませた。


「はじめー、できたよー」


ぴょこん、と顔を出す仕草が可愛らしくて思わず笑ってしまった。


「んだよ。」


「何でも無いよー」


席についてテレビをつけると一番最初に映ったのはライバルであるぼっくんだった。


「ぼっくんテレビ出てる」


「あー、なんか男のアイドルの番組出るっつってた。」


「はじめは出ないの?」


「俺はテレビ向きじゃねぇからな」


あー自分で言っちゃった。






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