第47章 永遠に美しく。
――一体何をしに来ているんだろう。
昼休み、何となく園芸部のテリトリーである温室辺りに来てしまう理由が、国見には自分にも分からなかった。
ただこの数日、何となくここへ来てしまう。
その度に部長の石和や蓼科と顔を合わせ『花が必要かい?腹っぺらしだねぇ』と笑われる。
今日も何となく来てしまいため息をつく彼。
だが、温室には今日は石和も蓼科もいなかった。
代わりに知らない?女生徒がいる。
――知らない?
蓼科に似た薄い肉付きの体。
スカートから突き出た足はふっくら、というより若竹、という表現が似合う。
静かに赤茶の何やら奇妙な花を愛げに指で撫でている。