第44章 暁の明星
「ねぇ、今日誰かつむぎちゃん見た?」
及川が云う。
同級の国見達が首を横に振る。
俺も朝からずっと見ていない。
昨日のあれを気にして一一休んでいるのだろうか?
会いたい、会って、自分を選ぶと云ってほしい。
一一触れ合いたい。
血がほしい。
その甘い蜜をお腹いっぱいすすりたい。
それは概ねみな同じなのだろう。
誰もが上の空だ。
彼女は約束を破ったりしない。
ならどこにいる?
「ね、ちょっとだけ、行かない?」
及川に云われ、全員が振り向いた。
心は今一つだ。
我先にと出ていく。
俺もだ。
会いたい、選んでほしい。
ただ、一途に想い。