• テキストサイズ

【HQ】バンパネラカンタービレ【R18】

第3章 花嫁のお仕事!


「京谷賢太郎、二年」
ぼそっと呟く位の音量で京谷先輩。
岩泉先輩がため息をつく。

私は望まれているんじゃないのか?
何でこんなガンとばされなきゃいけないんだろう。

「木原つむぎ、一年です。血袋をさせていただきます。よろしくお願いします」
「血袋じゃなくて薔薇の花嫁ね」
私の言葉を訂正する及川先輩。
何かその名称恥ずかしいんだよぉ。

「京谷、ほら」
「お前が先にいけばいいだろが。口実にスンナ」
京谷先輩と矢巾先輩が何やら話している。

「ほんとに良いの?」
矢巾先輩が一歩前に出た。
小さくて肉厚な唇が開きペロリと舌がのぞき一一、

「ひぃっ」
思わず私は声を上げる。

「矢巾はうちの部一の大喰らいだから危なかったら引き剥がしてあげるから安心して!」
『岩ちゃんが!』と及川先輩が朗らかに云う。

矢巾先輩の牙ははっきりと分かるほど太く唇からはみ出したから。
私は怖くて声を上げたのだ。

吸われるとか飲まれるとかじゃない。
食べられる?!
捕食される恐怖を感じたから。

「ひゃいっ!」
でも逃げられない。
もし私か断ったら可憐ちゃんに何をされるか分かったものではない。

可憐ちゃんをこんにゃくにされてしまうかもしれない。

私は震える足を必死で地につける。
/ 563ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp