第2章 薔薇の花嫁
はあはあ、と何もしてないのに息が上がって…何か…体、あつぃ…。
手首を見れば治りかけのにきびみたいな小さな赤い痕が両方に二個ずつある。
あ、本当に血、吸われたんだ。
「いや、つい美味しくて」
国見くんといえばクールビューティーと名高い子なのに、頬には薄紅が浮かび白い肌は前より血の気がまして何か…生き物っぽい。
金田一くんは困ったような顔して私を見た。
私も戸惑って見返す。
「美味しかった。ありがとう」
「あ、はい」
思わず敬語になる。
金田一くんが赤らむ。
つられて私も。
「はい、じゃあめでたく木原ちゃんは俺達の血袋ってコトで…」
「血袋って生々しいわボゲェ」
おどける及川先輩を岩泉先輩が殴りとばす。
「うー、ひどいよ岩ちゃん」
「血袋ってのも確かに外聞悪いよな」
「だよねぇ」
松川先輩と花巻先輩が云う。