第2章 それはきっと嘘じゃなかった
「僕はこっちで生きるって決めたんだ
もっとおかしくなってくかもしれない
でも、そうしないといけないから
この世界を変えるために
大切な人を守るために」
「うん…」
私の涙を指でふきとる。
「それでも…僕と一緒に来てくれるの?」
「…いいの?」
「言い出したら聞かないでしょ、陽菜は」
そう言って苦笑いをするケンは
昔のままだった
「ふふ、ごめんねケン」
「いいよ、……ありがとう
でも、危ないことはさせないからね?
人間なんだから」
ケンは苦しそうな顔をした
「人間の範囲でがんばるから!」
なんて笑ってみせる
「きっとみんなに反対されちゃうな……」