第2章 それはきっと嘘じゃなかった
「白って悲しいね…
儚くて怖い、だけど綺麗。
すぐ壊れちゃいそうで消えていく」
「……」
ケンは目を伏せて
自分を見ないでくれというかのように
体をちぢこませていた
「あのとき、ケンの様子がおかしくなったとき、
聞かないことがケンにとっていいことだって思ってた。
だけど、それってケンのことを見捨てたのと一緒なの」
「陽菜…」
「ケンが…ヒデと一緒に私を助けてくれて
友達だって言ってくれた時うれしかったの
ほんとに、うれしかった
救われた
だから、私は今、ケンを救いたい」
「僕を……救う?」