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青春あやまち論2【黒子のバスケ】

第22章 ずっと… feat.赤司




その後、HRで俺(立候補)と彼女(先生の指名)はクラス委員となり、解散後に一緒に名簿作成をすることとなった。


「(藍川…華澄…)」


先生に渡されたクラス全員の名前の書かれた紙に書かれた彼女の名前。

声に出したわけでもなく、心の中で呟いただけなのに、顔が赤くなるのを感じた。

会話もなく黙々と名簿を作成していると、ふと彼女が自分の名字について話し出した。

彼女の話によると、出席番号が1番にしかなったことがないため、毎年のように学年初めなどは損な役回りなんだそうだ。

その点については、俺も同感できる部分はある。


「…藍川さんは、名字で呼ばれるのが嫌い?」

「嫌いってわけじゃないけど…、慣れないわね。小学校の時はみんな名前で呼んでたし」

「そうか。では『華澄』と呼んでもいいかな」


そこで何を思ったのか、俺は彼女を下の名前で呼んでもいいか問いかけていた。

一瞬、キョトンとした表情を浮かべた彼女だったが、返事は可。


「じゃあ、私は『征ちゃん』で」

「せ、征ちゃん?」

「ダメかしら?私、友達とかみんな『ちゃん』つけて呼ぶんだけど」

「だめではないけれど…」

「仕方ないわね。じゃあ特別に『征十郎』で。よろしくね、征十郎」


彼女もまた俺を下の名前で呼ぶことになった。

彼女…華澄に「征十郎」と呼ばれた時、俺の胸はまた高鳴った。

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