第17章 もうやめて

だが、そのにゃんこレベルでも侮れないようで、レオ姉の『地』のシュートにわずかに反応し、さらには切り替えた『天』のシュートにまで反応。

シュートはリングに当たりこそしたものの、永ちゃんが押し込んだ。


「つくづく誠凛は一人残らず油断ならないわね」


レオ姉も油断していたわけではないんだろう。


「（もしかして…レオ姉の三種のシュートの仕組みに気づいているのかしら…そんなわけ…）」


続く試合の中、洛山はテツ君のパスに追いつくようになり、シューター不在の誠凛にとってはＤＦが広げられず、ますます苦しい状況に。


「来たぞ、実渕！！」

「今度のはわかったところで何もできないわよ」


そう言って跳んだレオ姉。

言葉の通り、これは『虚空』だ。


「ふんぎぃー！！」

「なっ…」

「なっ…！レオ姉の『虚空』に跳びついた…！？並の選手が？！」


届きこそしなかったが、小金井さんは、動けなくなるという『虚空』に跳びついた。

が、これは千載一遇のチャンスを逃したも同然。

レオ姉の表情は初めて見るほどに怖いものだったが、次からも必ず『虚空』は撃ってくる。