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夢と魔法と冒険と

第3章 御手杵


おどろおどろしい音楽が流れてきた。どうやらショーの始まりらしい。ショーのテーマは悪役達の仮面舞踏会だ。ゆっくりと現れた五艘の船には不気味な装飾が施されている。だが船上には誰もいない。無人の船がそれぞれ接岸すると、音楽は更に不気味さを増し、突然止まった。

「さあ、仮面舞踏会を始めよう」

主宰の魔女の声と共に花火が上がる。同時に船上にキャラクター達が現れた。何処からか不気味な衣装に仮面を着けたダンサー誰も現れ舞踏会が始まる。船上にいたキャラクター達は船から降り舞台の上で踊り始めた。それは幻想的でありながらもどこか不気味さを秘めている。盛り上がりを見せたところでまた魔女の声をした。

「今日の主役は私達だ。お前達は消えてしまえ」

またしても音楽が止まる。すると辺りはスモークを包まれてキャラクター達は忽然と姿を消した。ダンサー達は時が止まったかのように動きを止めている。魔女の高笑いを合図として、船上に悪役達が現れた。再びおどろおどろしい音楽が流れ、ダンサー達も踊り出す。それは奇妙で禍々しい仮面舞踏会へと変化した。

舞踏会が進むにつれ悪役達の勢いが増していく。やがて会場中に不気味なスモークが立ち込め、悪役達の高笑いが木霊する。スモークが完全に船を隠すと、魔女が高らかに宣言した。

「この舞踏会は我々が支配した。お前達は我等の僕となって永遠に踊り続けるがいい」

「そんなことはさせはしない‼︎さあみんな、力を合わせて楽しい舞踏会を取り戻そう‼︎」

黒ネズミの声と共に一瞬でスモークが消え、キャラクター達が現れた。キャラクター達は観客に手拍子と掛け声を求め、観客はそれに応える。次第に大きくなっていくそれに、悪役達は勢いを失っていく。そして形勢は逆転した。力を失った悪役達は許しを請い、キャラクター達はそれを受け入れた。互いに手を取り合い、舞踏会を再開する。華やかなフィナーレは、花火と共に幕を閉じた。

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