第2章 転入
船から見る海は良い。キラキラと水平線が輝き、頭上には大空高く、光る雲。まるで常夏にいる気分だ。
「綺麗だな~」
そう呟いたのは、一人の少年。青緑の髪が風に乗って揺れている。
名前は青音ミクル。LBXが大好きで、LBX世界大会アルテミスではかなりの実力者で何度か優勝したことがある。
彼は、神威統合学園に今日、転校するのだ。
「神威島統合学園……一体どんなところなんだろう。ワクワクしちゃうな」
緑色の瞳がエメラルドのように輝く。
「あの人みたいに、強くなれるかな……」
『あの人』はミクルの目標としている人物、そして……。
「たーすーけーてー!!」
手摺から悲鳴が聞こえる。手摺に目線を落とすと、一体のLBX--アキレス・ディードが手摺に捕まっている。
腕には、ロープの紐を掴んでいた。
悲鳴は海の方からに聞こえる。
「たーすーけーてー!!」