第3章 ウォータイム
「席は……」
教室全体を見回すと、緋色の髪をサイドテールにまとめた少女の隣の席が空いていた。
「そうだな、あそこを使ってくれ」
ミクルは緋色の髪の少女の隣の席に座る。
緋色の髪の少女はきりりとした目付きで、眼鏡をかけている。いかにも優等生、という感じだ。
「あたしは咲山(さきやま)メイカ。このクラスの学級委員よ、よろしくね」
メイカと呼ばれた少女の後ろの席からオレンジ色の髪の少年が顔を出した。
「俺は卯月(うづき)ツバサ!よろしくな!!」
前の席から金髪の髪に帽子を被った少年もミクルに声をかける。
「僕は古城タケル!よろしくねミクル!」
「よろしく、皆!」
ミクルは挨拶をする。
「……さて、では授業を始める」
ミクルを楽しそうに眺める一人の少年が足をぶらぶらさせていた。
「何だか面白そうなことが起こりそう♪」