第9章 雑食
その日の帰り道。
「明後日から合宿だねー」
澤「そうだな。」
「だいち嬉しそうだね」
澤「今回は一週間だからなぁ。時間はいくらあっても足りないからな。」
「あー、、、ねぇだいち。」
隣を歩いていたはずの朱莉が急に足を止めた。
澤「ん?どうした?」
「その、、、青城、って来る?」
澤「いや、今回は日程が合わなかったみたいで参加しないそうだ。」
「ほんと!?やっった!!」
想像以上の反応に少し驚いた俺。
澤「そんなに青城嫌なのか?」
「及川好きくない。」
澤「ははっ、あいつはバレーなら凄いんだがなー」
「あいつは信用できない。」
なら俺は信用できる部類に入ってるってことか。
朱莉まで約30cm。
手を伸ばせば届く距離。
いつかこの距離を無くせたら、、、
「ん。着いた。」
「おう。じゃあまた明日な。」
「また明日ね、だいち。」
少しずつ少しずつ、小さな約束を積み重ねていく。
とりあえず今は合宿に専念しよう。