第23章 愛され微
「まぁ、でも一つわかったことがあるわ。
それはー」
「アイツの補正がなくなりつつある」
「そうそう
…って、トラ男君か…」
「いい傾向じゃねェか」
クククと楽しそうに笑っている姿に、確かにと頷くしかなかった。
時期的には早い段階だが、早いことに問題はない。
かなりいい傾向に進んでいた。
「これからどうすんのよ。
あなたたちの能力がバレたこと以外順調だけど?」
皮肉交じりに言った言葉は、ローにまったく問題を与えることなく、視線が龍輝へ向けられた。
「まぁ、龍輝が決めるからそこまで待っとこうぜ」
「あのバスケバカがバスケに飽きるまで待っておけってことね…」
「そういうことだな」
ナミは大きくため息をついた。
運動神経抜群の彼女には、バスケでストレス発散するしかなかったのだ。
龍輝は優しい。
だから、物に当たらない。
だけど自分に当たる。
仲間を守るためならば、彼女は自身の体も犠牲にする。
だからこそ近くで守ってあげなければならないのだ。