第16章 ローの苛立ち
お風呂へと入れられた龍輝は、外で待っていたローに抱きかかえられ、ベッドへと寝かされていた。
まだ力が入らないらしく、ぐったりとするその姿にローは悔しそうに顔を歪めた。
「ロー…大丈夫だって…」
「大丈夫じゃねェ!
お前はこうやって!!」
「はいはい、ストップ。
トラ男君。
龍輝が大丈夫って言ってんなら大丈夫なの。」
ナミによってローは言いたいことをストップさせられた。
舌打ちするローに呆れるナミ。
ビビは苦笑を浮かべながら、聞こえてきた足音にドアへと視線を向けた。
「到着されたようですね」
「邪魔するよい。
龍輝大丈夫かい?」
「マルコ…?
あぁ、おやじにバレちゃった…?」
「バッチリだねい。
学校にいるおれに連絡してくるぐらいだからねい」
「ごめん…」
マルコはしょんぼりとする龍輝の頭を撫でると、そばに腰掛けた。
ぞろぞろと入ってくるメンバーに、広かった部屋が一気に狭くなったようで、苦笑を浮かべた。
そして、最後に入ってきた双子の兄を見て、深く息を吐いた。