第1章 序章
どうやら、トリップ少女がここに来たようです。
双子の兄から、相談を受けた。
原因は1学期が始まっても間もないというのに、転校生が来て、その転校生がバスケ部に入り浸っているということ。
そのバスケ部のキャプテン以外は、その子に夢中でバスケにまったく専念しなくなったということ。
そして、絶賛
双子の兄と、そのキャプテンを無視しているということ。
「あんな、人たち嫌いです。」
そう言って、苦しそうな顔をする双子の兄、黒子テツヤに思わず私は頭を撫でていた。
テ「龍輝、僕は大事な話をしてるんですよ?」
「わかってるって。
テツヤの為だよ、追い出したらいいんだよね?」
テ「はい。
赤司君には伝えてあります。」
赤司君、というのはバスケ部のキャプテンだ。
テツヤの話しを聞く限りでは、彼は優秀のはずなのに
チームメートは今までの仲間を裏切ってでも、その女子に夢中になるとは…
「何かあるねー」
ベッドに寝転がるテツヤを横目に、パソコンへと視線を向けた。
カタカタと、鳴り響く音はどうやらテツヤにとって、安心する音だったらしくすぐに目を閉じていた。
その寝顔のあどけなさに、笑みを浮かべ、頭を撫でた
TRRRR…
「もしもし?
いきなりでごめんね。
あの話なんだけど、一つ行きたいとこがあるんだけど
詳しい話は明日。
なるべく早く取り掛かりたい。
え?
あー、ちょっと色々あってね。
…!!
…ありがとう。
じゃあ、おやすみ
ロー」