第21章 ありがとう。
あっという間に放課後だった。
気が付けば日は落ちて、すっかり夕暮れだった。
赤司君は・・・何を話してくれるんだろう。
そんなことより、私はなんで言えなかったんだろう。
意気地なしだな・・・黄瀬君もあんなに相談してくれたのに
絶対。言わなきゃ・・・
屋上への道のり
足音だけが響き渡る。懐かしいな
ここに来たのは初めて赤司君に会ってマネージャーを
頼まれた時だったな。
・・・懐かしい。
そんなこと考えているうちに屋上の扉の前だった。
このドアを開けると赤司君が・・・いる。
しっかりしろ!!私
「遅くなりました。」
「大丈夫だよ、藍。僕も今来たところさ。」
「すみません。・・・話って?」
赤司君は珍しく口が重く固くなっていた。
なかなか開けない状態に私は気が付いた。
“今、言わなきゃ・・・”
「っあの!赤司君。私から言いたいことがあるんです。」
「・・・なんだ?」
「ずっと、、言いたくて言えなかった。」
唇が。声が震える・・・
今にでも逃げ出したいくらい心臓が飛び跳ねている。