第19章 見えない神様
い、今ありがとうって
初めて聞いた…かも
たぶん今の私は頭が真っ白だ
何も考えられないとかじゃなくて今が精いっぱいなんだと
思う。
「うぅ・・・///」
何も言わず頭を撫ぜてくれてる
この手が好きだ・・・。
「藍。嬉しいよ、だけどそれは叶わない。」
「えっ・・・?」
無理ってこと・・?なのかな?
「そ、そうですか。」
「すまない。」
こうなるかもって心の隅で思っていた
だけど叶うとも少し思っていた
きっと私は自分に甘かったんだろう。
「では、今日はありがとうございます!失礼しますっ」
「・・・藍。」
「・・・はい?」
「いや、なんでもない」
なにかためらうかのように打ち切られた。
何だったのだろう。。。
今、誰かに抱きしめてもらいたい
すごく泣きたい・・
「あっれ~?また会ったっすね!赤司っちには会えましたか?」
「・・・っはぃ///」
「ぇ?・・・どーしたんっすか?」
「何でもない・・です。失礼しま、、す。」
通り過ぎる瞬間に手首をつかまれた
「目の前で泣いてる女の子をほおっておくほど俺はゲスい男じゃないっすよ?」
きっと彼が神なのか?って思うほど
優しい言葉が心に染みた。