第12章 夢から覚めたシンデレラ
あっという間に時間は過ぎていった。
あれから何もかも考えたくなくなって
頭の中が真っ白になった。
「藍?どうした?疲れたか?」
「え、い、、、いえ!!全然おkです^^」
「・・・そうか。」
赤司君きっと気を使ってくれたんだな。
こうやって場の空気をいつも手助けしてくれる。
私って昔からダメな子だな。
「赤司君。私用事を思い出したので帰りますね。」
「・・・そうだったのか。なら車を手配しよ・・・」
「い、、いえ!今日は月がきれいなので歩いて帰ります!」
「だが、もう外は暗い。歩いて帰るのは危険だ。
僕も、見送ってあげたいが、これからやらなくてはいけない
ことがあってな・・・。」
「ほ!!本当に大丈夫です!!では、失礼します。」
「藍!!・・・。」
これでいいの・・・
これで、間違ってない。
もともと私なんてお似合いなんかじゃなかったんだ。
そうだよ、私は【夢】を見ていたんだ。
涙がボロボロこぼれた。
胸の奥がグッと押さえつけられるような
すごく苦しかった。
付き合ってもいないのに
失恋したような気持になった。
あぁ。もう会えない・・・