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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《3》

第9章 病院




それからおよそ十数分後、「お待たせ~終わったよー」と言いながら右手をふって紫原は戻ってきた

すると黄瀬はいきなり立ち上がって、彼に「お帰り紫原っち!明日空いてる!?」と問い掛けた




「んー?まあ…なにー?ケーキバイキングのお誘い~?」


「ストバス行こうっス!」


「ねぇオレ骨折してんだけどー?」


「大丈夫っス!右手があるんスから!」


「大丈夫じゃねぇよ」


「んーまあ何とかなるっしょ~」



敦の言い分に「良いのかよ!!」とツッコんでいると彼の少し後ろから景虎が歩いてきて「お前ら帰るぞ」と指示を出した

すると彼らは立ち上がり荷物を持って、飲み干した空のペットボトルや缶をゴミ箱に捨て、なぜか2列にならんだ

こういう所だけほんと運動部だなぁ…と思いながら、外に出ると、彼らの2列は一気に崩れ何列なのかわからなくなった。なんだったのさっきの

そして歩き出すと景虎さんは車で帰って行き、なぜか我ら10人は歩いて帰るということになってしまった



「あ、ボクこの後用事あるんで、別の道から帰ります」


「黒子どこ行くんだ?」


「買い物です」


「じゃあオレも今日の夕飯買って帰るわ」


「オレも!ちょっと寄りたい所あるんスよねー」


「リアカーが止めてある所まで行ったら高尾と帰るのだよ」


「オレ漕がせる気かよ!」


「試合に出てないのだから漕げるだろう」


「試合に出てても真ちゃん漕がせてるよねー」



彼らのやり取りがおかしくて笑っていると、テツヤと火神、涼太は同じ方向だったのか「じゃあここで」と曲がっていった

そしてそんな彼らに続いていくかのようにさつきが「あ!私も買いたいものあった!!大ちゃん付き合って!!」と言って大輝と腕を引っ張って「ばいばーい!!」とまるで嵐のごとく去っていった




「…なんかみんな忙しそうだねぇ」


「そうだねー…オレも、帰りにお菓子買わなきゃ~」


「どこ行くの?」


「こっちでよく買ってた駄菓子屋~」


「それこの先どっち」


「あっち~」


「どっちだよ」



クスクスと笑うと敦は空いている右手であたしの頭をわしゃわしゃと撫で、「じゃ~ね~」と言って去っていき、その場に征十郎とあたしだけが残された




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