第7章 「天帝の眼」と「魔王の眼」と「本気」

そう言ったナッシュは赤司に間合いを一気に詰め、様子の違いに黄瀬は「赤司っち…！」と不安そうに名前を呼んだ

赤司は「くっ…」と歯を食いしばってから「格が違うだと…！？なめるな！！」と思いながら天帝の眼を使い、バックチェンジからの右という未来を視た

それを読んだ赤司がボールを奪おうとするとナッシュは赤司の裏をかき、彼を抜いた

その様子を見ていた洛山の３人も、誰もが驚きで目を見開いた




「（赤司が完全に裏をかかれた！？てことは…間違いねぇ。やはりナッシュは赤司同様、未来が視えている…！！）」

「（それでもこの状況なら…止める！！ヘルプに飛び出さずシルバーのマークを外さずシュートに備える
撃った直後にブロックにいけば未来が視えてもカンケーない！！）」



そう考え備える紫原の前でナッシュは魔王の眼を使い、コート全体を上から見るようにして、気づいたらパスを出していた

６番に回ったことに緑間も紫原も気づけず、戸惑いながらも緑間がブロックするも、シュートは決まってしまった




「なっ何ぃいー！？天帝の眼を持つ赤司が抜かれた！？しかもその後のパス…だよな！？」


「消えたと言うより受けた選手がフリーになった時はもう手に収まってたぞ！？」


「バカな…！！」


「正直本気でヤベーな、まさかナッシュがおまえと同様未来が視えるなんて…」


「いや…それ以上だ」


「…！？」


「打ち合わせたプレイではない。もし対象がフリーになっていなかったら確実に自らシュートにいく体勢だった
だが奴は対象がマークを外す直前にすでにパスを出していた、天帝の眼では不可能だ。おそらく奴の眼は…」


［へぇ…ほめてやるよ。どうやら今の１プレイだけで気づいたみたいだな。お前の眼が視ることができるのは１人だけだがオレは同時に敵味方全員視ることができる

つまり試合の完全な未来だ。オレを出し抜くなんざ、たとえ神でもできやしねえ］



そう言うナッシュに目を見開き小金井が「全部の選手の未来が視えるなんて…守るのはもちろん、そんなのどうやって攻めれば…！？」と困っていた

だが伊月は「普通のPGならなす術なしだ…けど…赤司ならあるいは…！」とボールを持つ赤司を見ていた