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【黒子のバスケ】トリップしたけど…え?《3》

第4章 ムチャをするな





「でもそろそろお前らも帰れよ、明日試合なんだからな」


「そうだな…そろそろ帰らないと明日に響くのだよ」


「名前っち!夜遅いから俺が送るっス!!」


「中学の時はこんなん普通だったけど?」


「このくらい普通ですよ」


「で、でも!暗いっスよ!?」


「大丈夫だ。俺が送る」



急に出てきた赤司に彼女は思わず「…は?」と間抜けな声を出してしまい、バッと彼を見ると既に苗字のバッグを持っていた

「いつの間にコイツ…」と彼女が不思議に思っていると彼はいつの間にか苗字の右手を取りスタスタと歩いていた




「さ、とりあえず行こうか」


「ちょ、はぁ!?ま、待とう征十郎先に帰るのは良くないよ!」


「じゃあお前ら、また明日」


「無視かよこの野郎!!失礼します!!」



ガシャンと音を立てて閉まったドアの向こう側からは数秒後、苗字の耳には桃井の高い声と高尾の冷やかすのような声が聞こえた

その事に赤司は特に動じず右手を掴んだまま歩いており、それに照れて彼女が下を向いた瞬間に彼は立ち止まり、苗字は見事に赤司の背中にぶつかった




「立ち止まらないでよ!!」


「…なんで、あんなムチャをしたんだ」


「え」


「中学の時紫原に言われただろう、試合で黒子が殴られそうになって、助けに行って…まだお前は学習していないのか」


「征十郎、あたしさ…多分それについては何度も繰り返すと思う」


「…なぜだい?」


「あたしテツヤはもちろん、征十郎やみんなが傷つく姿見るの…好きじゃない、から」


「…そうか」



それを聞いた赤司は少し不満そうに苗字の顔についた傷を撫で、「…だが1人で何もかもするなよ」と言って苗字の頬に唇を落とした

それに驚いた苗字はキョドってから照れて顔を真っ赤にさせて、笑った




「…明日、頑張ってね」


「ああ、もちろんだ」



そう言った赤司は微笑んで、苗字の事を抱きしめた。そんな彼に彼女は腕を回し、目を閉じた





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