第4章 アマゾナイトの希望
合掌して、クリームのたくさん付いたフルーツをぱくりと頬張る。
「…おいしーっ!」
「私、ケーキって初めて食べたわ。こんなに美味しい物なのね」
「喜んでもらえて良かったわ」
感動に頬を緩ませるアレスとケイナに、ミモザは愉快そうに笑う。
「ロッカさんも少し食べる?」
「いえ、僕は見てるだけでお腹いっぱいです」
フォークに一口分掬ってやれば、やんわりと拒否するロッカ。
アレスは「そっか」と短く答えて、自らの口に運び直した。
アメルを見れば、もそもそと口を動かしている。
村を焼かれて、命を狙われ、息つく間もなく繰り返される襲撃に合っては喉にも通らないわよねぇとアレスは彼女の立場に立って考える。
ケーキを半分ほど食べ終えた所で、アレスはアメルに手を差し出した。