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連れ立って歩くー干柿鬼鮫ー

第6章 内股膏薬


土草の熱を道連れに吹き付けて来る真夏の烈風のようなチャクラが、ブワッと周囲に満ち満ちた。
「・・・ヤバいよシカマル。あの人、すごく強いよ・・・」
「止めろいの、お前がそんなだとこっちまでへこむ。行け、チョウジ!」
口を開けてポカンとしていたチョウジは、ハッとした。
「わかった、行くよ!二人とも気をつけて!」
「チョウジ、倍化したらすぐその場を離れるんだぞ、出来るだけ速く」
駆け去るチョウジから目を引き戻して、シカマルはいのの頭をガシッと両手で掴まえた。
黒装束の大男が見せた一撃に完全に気圧されて、瞳孔が開いてしまっているイノの額に自分の額をガツッと合わせる。
「いの、いの、俺を見ろ」
「・・・・・」
「大丈夫だ、怖いこたねぇ。イノシカチョウが揃ってんだ。安心しろよ」
チョウジがいつ倍化するか集中しながら、シカマルはいのの頭をしっかり引き寄せたまま、その緑色の目をじっと覗き混んだ。
「チョウジが今から倍化する。騒ぎになったら、どさくさに紛れて里のおっさんに入ってくれ」
「・・・・・」
「・・・いの、聞こえてるか?」
いのの目が動いた。
「逃げ切んねえでいい。隙を逃がさないで身を隠せ。藪に突っ込んで、後はすぐ戻って来い。チャンスは一瞬、イノシカチョウ得意の奇襲攻撃だ。仕掛けて逃げる」
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