第2章 笑顔はきっと涙の後で
月山side~
金木君がうわずいた声で
眠った彼女に話しかける。
僕は、なにも言葉にできない
こんな気持ちになったことがない
それに相手は人間だ
どうしたらいいんだ
なにをどうしたら君は目覚める?
「嫌いじゃないし
起きろよバカ!」
霧島さんも普段は見せない表情で声をかける。
僕はこんなとこでも
自分の気持ちを言葉にする他おもいつかない。
今更間に合わないかもしれない
看護婦も目覚める可能性はないに等しいと言っていた
耳を疑うしかない
人間は脆い。
わかっていたはずなのに
僕は
「紗那」
君を
「愛してる」
愛してしまったんだ。
「起きてくれたまえ……
僕の、僕だけのmyu-ze」
そして彼女の額にキスを落とす
「ほん、とですか
私、のこと」
あぁ、神よ
奇跡を
奇跡を感謝………
月山side〜end〜