第2章 笑顔はきっと涙の後で
「ちょっと遅くなっちゃったな」
七時か…
商店街で買い物を終え、
来た道を帰ろうとしたが
ある店に目が止まる。
「あのマフラー、月山さんみたい
プレゼントとして受け取ってくれるかな…」
「あの、そろそろ閉めますけど、
大丈夫ですか?」
私が見ていることに気づいたのか、
女性の店員さんが中から出てきた。
「あっ、すいません!
あの、これって、………」
「あぁ、マフラーですか?
これは1点ものですよ生地もなかなかいいもので
少しお高いですが……彼氏さんにですか?」
「彼氏!?いえ!
憧れのひとです……」
「ふふっ、きっと喜ばれますよ
純粋な想いは報われますから」
うまいよなぁ
商売が
でもほんとうにそうだとしたら
少しぐらい願いを込めてもいいかな
「買います」