第7章 【青峰】ピンク・ブルー
アタシと彼氏は幼なじみだ。
一見特別なそのくくりには、妹も含まれていた。
『ちょっと大輝!今日デートに行く約束だったじゃん!』
「んぁ?ああ〜わり、忘れてたわ」
『そんなこと言って…前も、その前も同じ理由で行かなかったじゃん』
大輝がアタシとの約束をすっぽかしたのは、何も今日が初めてじゃない。
妹のさつきとは毎日あってる癖して、アタシは大学生だから学校が違くて最近は滅多にあうことも出来ないのに。
だから今日だって楽しみにしてたのに。
「だから悪かったって!」
大輝は堀北マイの写真集をめくりながらちっとも悪びれずに言うけど。アタシは、毎回何かあったのかって心配して、何度も電話をかけて…でも大輝は寝てたとかなんとかで出てくれたことなんてない。
…もう、疲れてしまった。
『ごめん、もう別れよ』
「はぁ?なんでそういうことになんだよ」
『疲れちゃった。アタシだけ好きで、馬鹿みたいじゃんね』
荷物をもって部屋を出ようとすると、大輝は状況を飲み込めないのか混乱してアタシを呼び止めた。
「おい、悠紀!」
わけがわからない、という顔で見てくる大輝。
『胸が好きなだけなら、アタシじゃなくたって同じでしょ。知らない人が嫌ならさつきにでも付き合って貰えばいい』
「おい、待てよ!」
『アタシはもうゴメンよ』
アタシは無視してドアをしめた。