第1章 発覚
「…日向様のお部屋へ遊びに行っていました」
雲雀は口をきゅっと結び、覚悟を決めたように永光を見つめる。
「日向様の部屋へ…ですか」
怪しげな光を見せて永光の目が見つめ返してくる。
よりによってあの方なのか、と永光は胸中を曇らせる。
自分のことを怪しんでいる日向は気にくわない。
ここ最近は元気になったのかやたらと邪魔をしてくる厄介な存在だった。
まさか―――大事なおもちゃを取られていたとは腹立たしい。
ガチャン。
永光が茶碗を取り落とす。
「雲雀、分かっていますね?」
笑みを崩さずに雲雀を押し倒す。
ギュッと目を瞑り震えているその肩をつかむと、
「お仕置きです」