第12章 絡まった想い[下]
気づいたら、廊下を走っていた
あいつを残して...飛び出していた
まさか
まさか...あゆが、梨奈の事を口にするなんて...
『お前ッ、何で...梨奈の事...』
『奈々先生...、お姉さんから聞いたの』
なんで...
どうして....
『なに勝手に聞いてんだよっ...』
『ごめんなさい。でも、知りたかったから...』
鼓動が速くなる
あゆには、知ってほしくなかった俺の過去...
『ねえ...、雨宮君。私、梨奈さんに似てるんでしょ?』
その時、息が止まるかと思った
『だから、私を抱いたの?』